エレガント経営学

最新の経営学に関するトピックを新聞、ビジネス誌ビジネス書から引用し、女性経営コンサルタントの視点でわかりやすく解説、コメントしております。

★経営管理「経営管理情報システム」

経営管理情報システムとは

「経営管理情報システム」は、主に大企業で導入していて、中小企業では導入しているところはほとんどありません。

今回は、「経営管理情報システム」についてお話したいと思います。


大企業においても、中小企業においても、

「ビジネスを数値化する」ことがもっとも重要です。

なぜなら、数値化されたものがなければ、今のビジネスがどのような状況なのか客観的に分かりませんし、それによって、今後のビジネスをどう改善したらよいかも分かりませんし、新たな戦略を立てることができません。

自分の現状のビジネスを知るために、計測し、数値化することは必須です!

それでは、計測し、数値化するのはどのようなものでしょうか。

まずは、売上などの財務諸表上の数値です。
税務申告などで表示されている会社全体での数値ではなく、商品別とか、営業担当別とかの売上、費用も何の商品のために使ったものかなど、より詳細なデータであることがベターです。

他には、非財務データと呼ばれる、財務諸表で出てこない数値があります。
例えば、顧客の情報、見込み客情報、営業による新規獲得件数、お問い合わせの数などの営業やマーケティングに関するデータです。

これらの数値、データは、より詳細なものであればあるほど、色々な角度から分析することができます。

中小企業においては、データの数が少ないので、このような数値、情報は、エクセルなどで人が管理しているのがほとんどだと思います。

しかし、大企業においては、データの数が多すぎるので、とてもエクセルでは管理しきれません。

そこで登場するのが、「経営管理情報システム」というシステムなのです。
「経営管理情報システム」とは、財務データや非財務データなど、企業内に存在するあらゆる細かいデータを一つのデータウェアハウスの中に集約させるシステムのことです。

集約されたデータから様々な経営分析用のレポートが自動的に作成され、経営者や幹部は、そのレポートを見ながら、改善点を発見したり、新たな戦略を立てたり、アクションプランを立てることができるのです。

大企業も中小企業も、「数値化する」という本来なら同じことをやっているはずだし、やるべきなのですが、企業の経済力により、使えるツールが違ってくるだけで、大企業だけ特別なことをしているように見えてくるのかもしれませんね。

★会計「キャッシュフロー計算書」

「優良企業であるかの見分け方」

先日参加したアンソニー・ロビンズのセミナーでは、世界中の経営者たちが参加していました。
積極的に学ぼうという姿勢で参加されているだけあって、参加された経営者の会社は、かなり成長されている企業、売上げが伸びている企業が多いようでした。

日本国内でも、景気とは関係なく成長し続けている優良な企業も結構あるというのも事実です。

果たして、「優良企業」というものは、どこを見れば分かるのでしょうか。

今回は、財務諸表から「優良企業」かどうかを見分ける方法をお伝えしたいと思います。


「優良企業」とは、利益を上げている企業ですよね。

それでは、利益を見るには、財務諸表のうちの「損益計算書(P/L)」を見ればよいのでは、と思うかもしれません。

確かに、損益計算書は、会社の利益(損失)を表しています。
しかし、ここで出てくる利益の数値は、実は、実際上の利益ではなく、会計の法則に従って計算された理論上の数値でしかないのです!

利益として手元にキャッシュが残っていると、事実の数値を表した利益が分かるためには、「キャッシュフロー計算書(C/F)」を見なければなりません。

では、キャッシュフロー計算書の構造を見てみましょう。

キャッシュフロー計算書は、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローの3つに分かれています。

そして、それぞれがキャッシュがプラスでいくら、マイナスでいくらというように表されます。

この3つはそれぞれどのようなものなのでしょうか。

○「営業活動によるキャッシュフロー」
会社本来の事業から得られるキャッシュの流れを表しています。
材料を仕入れたり、商品を売ったり、社員を雇ったり、営業をしたり、など、通常の営業活動の過程でのキャッシュの動きを表しています。
ここは、会社の本業から得られる利益によるキャッシュ部分であるので「プラス」でなければなりません。

○「投資活動によるキャッシュフロー」
投資による資金の増減を表しています。
固定資産(設備など)や有価証券(株や債券など)の購入や売却による資金の増減を表しています。
投資に積極的な成長企業では、ここのキャッシュフローは「マイナス」になることが多いでしょう。

○「財務活動によるキャッシュフロー」
資金の調達によるキャッシュの増減を表しています。
銀行からの借入れによる資金の増減、株式や社債の発行による資金の増減を表しています。
「プラス」であれば、資金調達をしていることになります。


ここで、優良企業はどのようなキャッシュフローの状態か検討してみましょう。

まず、営業活動によるキャッシュフローが大きくプラスとなっていれば、会社の利益も大きく、健全な会社と言えるでしょう。

さらに、成長させるために、積極的に投資をして、キャッシュフローはマイナスになっているかもしれません。

一方で、資金は潤沢なので、あえて資金調達をする必要がなく、財務活動によるキャッシュフローはマイナスになります。

つまり、
「優良企業」のキャッシュフローの構造は、
営業活動によるキャッシュフローが大きくプラス
投資活動によるキャッシュフローはマイナス
財務活動によるキャッシュフローはマイナス

となります。

ちなみに、「危険な会社」は、
営業活動によるキャッシュフローがマイナス
投資活動によるキャッシュフローがプラス
財務活動によるキャッシュフローがプラス

となります。
本業でうまくいかず、必死に資金調達をしたり、資産を売却して資金をかき集めている状況ですね。

★アンソニー・ロビンズ「ビジネスパーソン3つの分類」

「己を知ってジョイントベンチャーを考える」

アメリカでは、労働者人口の25%以上が、フリーランスとして働いているそうです。
日本においても、ここ数年、フリーランスや一人起業家として働いている人が増えてきているなぁと私自身実感しています。

しかし、しばらく一人で頑張ってきた人であっても、もっと売上げを伸ばしたい、事業を拡大させたいと思ったときに、人の雇用やビジネスパートナーを見つけたりすることを考え始めるかと思います。

今回は、ビジネスパートナーを見つけたり、ジョイントベンチャーをしたいと思ったときに必要なことをお伝えしたいと思います。


強い組織、チームを作る際に自分の右腕となる人、
ジョイントベンチャーをする際のビジネスパートナーとなる人
としてふさわしい人は、

ずばり、

自分とはタイプの違う人!です。

自分と似たような人だったり、ウマが合うような人とビジネスをしていてもあまり成長していかないのです。
ビジネスを飛躍させるためには、自分とは異質の人、自分ができないことができる人と組むことにより、相互補完しながら成長していくことができるのです。

自分が不得意なことをやり続けるのはとても効率が悪いのです。
自分が不得意なことは、それが得意な人に任せてしまいましょう。
ビジネスはスピードが大切です。不得意なことを習得している時間がもったいないですよね。

それでは、自分のタイプと異なる人を見つけるにはどうしたらよいでしょう。

まず、自分のタイプを知りましょう!

案外、自分のことって自分が分かっていないことが多いので、ここが一番のキモかもしれませんね。

人のタイプの分け方は、色々あるかと思います。
今回は、アンソニー・ロビンズが提唱しているビジネスパーソンの3つの分類についてご紹介します。

<アンソニー・ロビンズのビジネスパーソンの3つの分類>

1.アーティスト・タレント

2.マネージャー・リーダー

3.アントレプレナー


1.のアーティスト・タレントタイプの人は、
作ること、創造することが好きな人です。
自分の才能を生かして、どんなことが起きても絶え間なく、ずっと継続して作り続けることができなくてはなりません。

2.マネージャー・リーダータイプの人は、
人やシステム・プロセスを管理していくことが好きな人です。
ビジネスを総合的に見ることができる人です。

3.アントレプレナータイプの人は、
お金が大好き、リスクが大好きな人です。
お金のために、すぐにビジネスを売却できる人です。


この3つのどれにもあてはまると思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、人は、本質的にこの3つのうち1つにしか当てはまらないそうです。

さらに、起業家だから、3.のアントレプレナータイプとは限らない
のだそうです。アーティストタイプの起業家であったり、マネージャータイプの起業家であったり、アントレプレナータイプの起業家であったりと分かれるのだそうです。

そして、自分がもしアーティストタイプであれば、マネージャータイプの人を探したり、自分がアントレプレナータイプであれば、アーティストやマネージャーを探したりと、自分とは異なるタイプの人とジョイントベンチャーをしなければならないと、言っていました。

ちなみに、自分がどのタイプか分からないという人は、何人か他の人に聞いてみるのが一番です。

★アンソニー・ロビンズ「7つの戦略」

「定期的に情報をシェアしていますか」

今回は、社内の中で定期的に戦略や問題をシェアする機会を設けているか?

そして、アンソニー・ロビンズが唱えている7つの戦略とは?

について、書いてみました。


色々な会社を見てきて感じているのですが・・・

継続して成長し続けている会社は、社員全員が、その会社の戦略や方針などを知っていて、同じ方向を向いて仕事をしているようです。

そして、社内の良いことも悪いことも隠すことなくシェアされていて、風通しの良い状況が作られているように感じられます。

何でもシェアされるので、何か問題が起きても、それもすぐにシェアされ、全員で問題解決に向かっていくスピードも速いのです。

社員全員で、どんどん目の前の問題を解決し、前進していきながら、成長していっているのです。

では、どのようにして、社員全員で情報をシェアしていけばよいでしょうか。

毎週何曜日の何時にという具合に、定期的に情報をシェアするミーティングを設けましょう。

大きな会社であれば、部門ごと、グループごとで、そのグループ内の問題について話し合う機会にします。

小さな会社であれば、社長も含めて全員参加のミーティングにします。
全社で会社の戦略について共有し、社員からの色々な意見をオープンにしましょう。

戦略は、営業・マーケティングから管理まで、色々なトピックがあるかと思います。
それぞれの会社で、戦略をいくつかのテーマ・トピックに分けて、毎週1テーマごとを振り返って、改善点などを話し合うようにします。


アンソニー・ロビンズは、戦略を次の7つに分けて考えています。

1.効果的なビジネスマップ(ビジネスプラン)

2.戦略的イノベーション

3.世界に通用する戦略的マーケティング

4.販売システム

5.財務分析

6.人材・プロセスの最適化・最大化

7.熱狂的な顧客の獲得


この7つの戦略を常に向上することによって、ビジネスをより優位な地位に維持し続けることができる、と述べています。

そして、この7つの戦略を常に向上させるために、毎週定期的にチームメイトを集めて、1つの戦略について、起きている問題を解決していかなければならない。

その解決していくのは、トップの人が言うのではなく、部下の人の意見を聞き、部下の人が解決していくようにする。

と言っています。
7週間で戦略を1周することになり、1年で7回、回ってくる計算になりますね。

大切なことは、戦略・経営に関するすべてのことについて、全社員で、常に共有し、問題意識化し、さらに、そのようにするために、仕組み化・システム化することなのです。