エレガント経営学

最新の経営学に関するトピックを新聞、ビジネス誌ビジネス書から引用し、女性経営コンサルタントの視点でわかりやすく解説、コメントしております。

★経営分析「損益分岐点分析2」


経営の余裕度を見るには

前回、費用を変動費と固定費に分けるというのを説明しました。

そこから先の話になります。

まず、限界利益というものを計上してみます。

限界利益とは、売上高から変動費を差し引いた利益のことをいいます。

(限界利益)=(売上高)-(変動費)

変動費は売上に連動していきますから、売上が増えれば、限界利益もそれに比例して増えていくのです。

もし、限界利益がマイナスの場合は、売れば売るほど、マイナスが増えていってしまうのです。

限界利益がマイナスになる場合は、急いで、その商品の取り扱いを中止しなければなりません。

 

さらに、損益分岐点を計算してみましょう。

損益分岐点とは、売上高=費用となる地点、売上高と費用が一致するときは商品をいくつ売ったときで、全部の売上はいくらかを示します。



例えば、商品Aがひとつあたりの販売価格が1000円とします。

商品1つあたりの変動費が500円とします。

1か月あたりの固定費が100万円とします。

商品A1つあたりの限界利益は、1000円-500円=500円です。

これが固定費全額カバーできれば、売上=費用となるわけです。

固定費100万÷商品一つあたりの限界利益500円=2000個

つまり、商品Aを2000個売れば、売上=費用と利益トントンとなるのです。

このときの1か月の総売り上げは、販売価格1000円×2000個=200万です。

このように利益トントンの地点を損益分岐点といい、そのときの売上高を損益分岐点売上といいます。

 

また、会社の余裕度を見る尺度として「安全余裕率」というのがあります。

現在の売上高が、損益分岐点売上よりどれだけ上回っているかを見るのです。

この安全余裕度が100%を超えていれば、黒字であり、100%未満の時は、赤字と言えます。

(安全余裕度)=(売上高)÷(損益分岐点売上)

ちなみに、業種により異なってきますが、一般的に、安全余裕度の目標ラインは、120%といわれています。


いかかでしたでしょうか。

損益分岐点を計算することにより、経営の余裕度を見ていきましょう。