エレガント経営学

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★経営分析「資金繰り表」

中小企業の必須アイテムとは

黒字倒産を防ぐには、キャッシュフロー計算書を見ていく必要があります。しかし、これは、大企業や上場企業に当てはまる話です。

一方で、中小企業においては、キャッシュフロー計算書を作成している会社はほとんどないのが現状です。

しかし、キャッシュフロー計算書に代わるものが「資金繰り表」と言われるものです。
中小企業にとって、資金繰り表は、必須アイテムです。

今回は、資金繰り表についてお話ししたいと思います。


黒字倒産を防ぐために、企業は、資金の動きを常にチェックしていなければなりません。
資金の動きを見る指標として、キャッシュフロー計算書と資金繰り表があります。
2つの違いは、キャッシュフロー計算書は主に大企業、上場企業で作成されていて、資金繰り表は、中小企業で作成されていることだと思います。
しかし、それ以外にも、根本的に2つの指標には、違いがあります。

キャッシュフロー計算書は、過去のお金の動きを表したものです。
主に、投資家などの外部に公表するために作成されます。
上場企業にとって、キャッシュフロー計算書は、義務で作成し、開示しなければならない財務諸表の一つで、一年間の数値を公表しています。

しかし、中小企業にとって、過去のお金を動きを表したキャッシュフロー計算書はあまり必要がありません。もちろん、過去にどのようなことにいくらお金を使ったかを把握して、分析する必要はあります。

中小企業にとって重要はことは、現在から将来にかけてのお金のことなのです。

現在から将来にかけてのお金のこと、つまり、資金繰りの予測を表した指標が、「資金繰り表」です。

経営者は常に3か月先の資金の予測をしていかなければなりません。
常に資金の予測をしていくことによって、近いうちに資金の不足のおそれが予測されても、前もって余裕をもって、資金調達、借入の対策をすることができるからです。

ですから、資金の予測を表した資金繰り表は、中小企業の経営者にとって必須アイテムであり、毎月更新していかなければなりません。

資金繰り表は、月次の数値を表していきます。
まずは、毎月、実績の数値の資金繰り表を作成します。
過去の実績の数値を検証して、翌月以降の毎月の数値を予測していきます。
毎月、過去の実績と将来の予測を対比していくことを繰り返していくのです。
計画・予測→結果・実績→原因分析→対策・改善→計画・・・
と、経営者は実行していくことができます。

原因分析がしやすくできるためにも、お金が何で入ってきて、どうして出ていったかが分かるように、項目はできるだけ細かく設けましょう。


・資金は近い将来不足するのか
・売掛金の回収状況
・買掛金の支払状況
・借入金の調達・返済の状況
・設備投資の予定

などを表示し、分析しましょう。

さらに、資金繰り表は、融資を受ける際の銀行への説明用資料として有効です。
きちんと計数管理ができる会社として認められ、融資を受けやすくなります。

融資のために突然資金繰り表を作り出すのは困難ですので、今日から資金繰り表を作り始めましょう。

いかがでしたでしょうか。
中小企業の経営者は、資金繰り表を作成し、黒字倒産から逃れましょう。