エレガント経営学

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★国際会計「外資系企業」

外資系企業の経理のお仕事

私自身のことで恐縮ですが、私は、独立する前、数社の外資系企業で働いていました。

たまに聞かれるのが、外資系企業の会計、経理の仕事はどんな感じなのか?

そこで今回は、外資系企業の会計、経理のお仕事についてお話したいと思います。


外資系企業というと、皆さんは、どのようなイメージを持たれているでしょうか。

オシャレで綺麗なオフィスで、素敵な外国人がいっぱいいて、英語が飛び交っていて・・・・

確かに、外国人比率の多い会社は、このイメージに近いかと思います。

しかし、外国人が一人もいない外資系企業も結構あります。

しかも、事業規模、従業員数が中小企業並みのところがほとんどです。
IBMやシティバンクなど新卒採用を行っている会社はとてもレアなケースなのです。

そして、アメリカやイギリスが本社である場合、日本においては、その子会社にあたり、あくまでもローカルカンパニーです。

さらに、会計的に見ると、日本支社であっても、日本で会社を設立していることになるので、日本での決算、法人税の申告を行っています。

一方で、アメリカ、イギリスなどの本社が連結決算を行うために、子会社として、決算のデータを本社に送信、報告することも同時に行わなければなりません。

日本での決算は、日本の会計基準、本社へ送信用の決算データは、アメリカ、イギリスの会計基準を使うため、ここでギャップが生まれてきてしまいます。

そのために、決算のプロセスが、

まず、日本の会計基準で日本の決算を行い、ギャップを修正して、アメリカ、イギリスの会計基準に作り直した決算書データを本社に送るという若干面倒なことをしています。

しかも、日本では3月決算で、本社では12月が決算だと、決算のタイミングが異なってしまうので、2回決算の作業をすることになってしまうのです。

ちなみにですが、
日本支社はほとんど中小企業であるため、使っている会計システムは、勘定奉行やJDLなどの日本の中小企業が使っているものと同等なものが案外多いのです。

このように、通常の経理業務は、とてもドメスティックな作業なのです。
しかも、システムにお金をかけることができない場合が多く、手作業が多いのも特徴です。

日本企業と違う点は、特にアメリカの企業の場合、管理会計の概念が当たり前に浸透しているので、その子会社としても、毎月、細かい経営分析、事業分析、コメントを本社に報告することが求められています。

ここでひとつ残念なのが、

日本における外資系企業は、あくまでも子会社という立場なので、日本支社としての権限は限られていて、投資はおろか、外部からの資金調達はできませんし、予算も本社の言いなりで決まってしまうのが
現状です。

世界的に見て名の知れたグローバル企業であっても、日本においてはその子会社であるため、大きなことができないというのが、意外な点であり、一番大きな外資系企業の特徴なのかもしれません。

いかがでしたでしょうか。
外資系企業というと、派手なイメージがあったかと思いますが、社内でやっている業務は、とてもローカルで地味なのです。