エレガント経営学

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★会計「決算書」

「決算書とは何なのか」

この2月中旬ぐらいから夏手前にかけて、会計事務所、会計関係の仕事に携わっている人にとっては、繁忙期を迎えます。
まずは確定申告から始まって、3月決算の会社の決算、税務申告などイベントが続くからなのです。

そんな会計イベントを会計士、税理士、経理業務の担当者などにすべてお任せしましょうではなく、経営者そしてビジネスパーソンも最低限知っておいたほうがよい会計知識をお伝えしたいと思います。

今回は、決算書についてです。


会社は、日々様々な経済活動を行っています。

商品・サービスを販売したり、商品を仕入れたりする営業活動。
広告費を支払ったり、従業員に給与を支払ったり、備品を購入したり、家賃を支払ったりします。
さらに、銀行からお金を借りたり、機械を購入したり、設備投資もしたりします。
これらすべてが、会社の経済活動です。

決算書は、これら会社の経済活動の結果を数字で表したものです。
つまり、決算書を見れば、会社のビジネスの結果が分かるのです。

決算書は、少なくとも年に1回は作成することが義務付けられています。
すべての会社は、税務署に税務申告するために決算書を提出しなけいればなりません。
さらに、上場企業は、株主に決算書を公開しなければなりません。

決算書は、会社の利害関係者に対して、会社のビジネスの実態を公表するためのツールなのです。
利害関係者が会社のビジネスの実態を正しく把握するために、決算書の数字は、ウソ偽りがなく、正しい数値でなくてはなりません。

そもそもなぜ難しい会計基準、会計用語や勘定科目名が存在しているのでしょうか。

利害関係者は、色んな会社の決算書を比較、検証しようとします。
決算書が個々の会社ごとで独自のルールで作られてしまうと、比較することができません。
つまり、利害関係者が複数の決算書を比較できるようにするために、共通のルールを設けたのです。

決算書の中には、
1.貸借対照表(B/S)
2.損益計算書(P/L)
3.キャッシュフロー計算書(C/F)
があり、この3つを特に主要財務3表と呼ばれています。

1.貸借対照表(B/S)とは、
会社の期末時点の財政状態を表したものです。
期末時点とは、3月決算の会社ですと、3月31日時点のことを言います。
つまり、3月31日時点で、会社がどんな資産(財産)を持っていて、どんな負債(債務)を負っているかを表しています。
さらに、貸借対照表を見ることで、会社の安全性を分析することができます。

2.損益計算書(P/L)とは、
会社の一会計期間の経営成績を表したものです。
一会計期間とは、4月1日から翌年3月31日までの1年間の取引のことです。
つまり、1年間で、売上がどれだけで、経費がいくらで、いくら利益が出たかを表しています。
さらに、損益計算書を見ることで、会社の収益性を分析することができます。

3.キャッシュフロー計算書(C/F)とは、
会社の一会計期間のキャッシュフローの状況を表したものです。
一会計期間とは、損益計算書同様、1年間の取引のことです。
つまり、1年間で、会社のキャッシュ(現金・預金)が何が原因でいくら増え、何が要因でいくら減ったかを表しています。
さらに、キャッシュフロー計算書を見ることで、キャッシュにフォーカスしながら、会社の安全性と収益性の両方を分析することができます。

いかがでしたでしょうか。
会社の決算書の数値を比較できるようにするために、共通のルールとして難しい会計基準ができてしまったということです。
その難しい会計基準を翻訳するために、会計士や税理士のような専門家が登場するようになったのではないでしょうか。

会社の経営を俯瞰できるようにするために、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3表の大雑把なしくみは理解するようにしましょう。